台湾と中国の経済関係は極めて強い。台湾は半導体などの電子部品や電子機器の製造(国)である。中国本土はそれらに頼っている。つまり中国本土の電子機器の製造業にとって、台湾は重要なサプライチェーンとなっている。台湾の経済にとって中国本土からの観光客も重要な部分をなしているが、祭英文政権になってからは中国は台湾への観光客数を規制している傾向にあると言われている。
ニッセイ基礎研究所の基礎研レター「台湾問題で押さえておきたい中台の経済関係」(経済研究部 上席研究員 三尾 幸吉郎)は簡潔で比較的わかりやすいので、以下にその要約を示す。
要約
台湾経済には外需依存度が高いという特徴がある。 国内総生産(GDP)の需要構成を見ると、個人消費は44.7%、政府消費は13.5%と、それぞれ世界平均を下回り、総固定資本形成(≒投資)も26.0%と世界平均並みで内需の弱さが目立つ。 一方、純輸出(含む在庫変動)は15.8%もある。 電子工業、情報通信、化学工業などが盛んで、特に半導体に関しては米国などからの受託生産で力を付け、世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)を擁す。 台湾の輸出先を見ると、中国本土が全体の3割弱を占め、香港を含めると4割を超える。 輸入元として見ても中国本土は、全体の2割強を占め、日本を上回り、米国の2倍超のシェアがある。 中国本土から見ても台湾は有力な貿易相手で、特に輸入元としては最重要である。 それでは、台湾と中国本土はどんなモノを貿易しているのだろうか。 中国本土が台湾から輸入しているモノを見ると、「電気機器・部品」が約7割と飛び抜けている。 台湾にとって中国本土は極めて重要な投資先でもある。
中国の習近平政権が台湾に対して繰り返し軍事的威圧を加えているという報道がしばしばあるが、報道で知る限りでは、米軍が台湾近海で共同軍事演習を行ったり、ペロシ下院議長やアメリカ議員団が台湾を訪問したときなど米国の要人が台湾を訪れた際に中国がそれに反発して軍事演習を行ったときのように思う。
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