2020年10月10日土曜日

日本学術会議の6名の新期会員の政権による任命拒否について

日本学術会議の新会員のうち6名がスガ政権に任命拒否され、国内はもとより世界的にも問題視されている。6名はアベ政権のときに政策に批判的な発言をしてきたひとだ。そもそも日本学術会議の会員がどのような仕組みで選ばれているのかについてあまり知られていない。

日本学術会議会員の選出方法:(NHK報道)

現在では学会ではなく(ボス支配されている学会からの推薦が問題視されて以来)、210人の現役会員とおよそ2000人の連携会員が(関連の学術団体の協力を得て)、「優れた研究又は業績がある」科学者を、それぞれ推薦し、その後、選考委員会を経て学術会議が最終的に推薦する候補者を絞り込む(学術会議総会の議を経て学術会議会長が内閣総理大臣に推薦する)仕組みで、総理大臣が任命する規定は維持されてきた。かっこ()内は当方が補足した部分。

報道内容はここを参照

日本学術会議の会員候補の選任方法はここを参照。

だから学問分野の代表的な研究者がその分野の多くの研究者による合意のもとに推薦されているのである。学術会議会員になると所属する学問分野の代表として学問の発展のために働くことになる。

天文学者である海部宣男氏の記事(天文月報2019年7月)が参考になる。

6名の任命拒否にあった人について差し替えればよいなどと考えることは、6名の研究者の上げてきた学問研究の成果だけでなく自由であるべき学問研究とそれを評価することさえも政治権力で否定する暴挙である。さらに6名の所属する学問分野の選任に当たった人たちの評価をも否定することになり、総会で採択に参加した学術会議会員全員の意思をも否定するものである。

日本学術会議法では

第七条 2 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。

第十七条 日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者の うちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦する ものとする。

となっている。第七条 2の「推薦に基づいて」は恣意的なものを許さない強い表現である。

残念だが半可通としか言いようのない論点のずれた日本学術会議を批判する文章がインターネットに見られる。

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