ご存知のことでしょうが、ちょっとしたメモです。
米中対立の根底にあるのは、中国の経済的世界制覇戦略にある。2013年に中国習総書記が提唱した一帯一路構想がそれであり、中国からユーラシア大陸を経由してヨーロッパにつながる陸路の「シルクロード経済ベルト」(一帯)と、中国沿岸部から東南アジア、南アジア、アラビア半島、アフリカ東岸を結ぶ海路の「21世紀海上シルクロード」(一路)の二つの地域で、インフラストラクチャー整備、貿易促進、資金の往来を促進する壮大な計画である。
一帯の鉄道網が図に示されている。
中国が弾圧をしているとか収容所に強制収容しているとか強制避妊をさせているとかウィグル族の問題が色々と非難の的になっているが、その中心都市のウルムチは中国の西の辺境の地で隣のカザフスタン共和国の国境まで僅か460kmという距離にあり、陸路でヨーロッパにつながる要衝の都市であることがわかる。
ウィグル族の実態はどうであれ、バイデンのウィグル問題についての中国攻撃は、世界各国に中国との経済交流を制限させようとする極めて政治的意図を含んだものだろう。
シルクロード経済ベルトでは、カザフスタン鉄道によると、中国から⻄(欧州、中央アジア、ペルシャ湾岸、コーカサス)に向かう鉄道貨物量については、2019年は年初予想を⼤きく上回り、前年⽐54.4%増の359万9,128トンとなった。東⾏き貨物(中国向け)も含めた同駅全体の鉄道貨物輸送量(2019年)は420万9,004トンで前年⽐55.6%増だったと発表している。
ドイツではすでにアジア産品の大規模小売店ができているようです。
シルクロード経済ベルトを経由する中国の貿易を、アメリカ(や日本)は抑える足場がないので、全く抑えることができない。
アメリカ太平洋軍がアメリカインド太平洋軍と編成替えしたのは2018年で、これは中国の海上シルクロードをターゲットに収めたもの。それに先立って2016年に安倍が「自由で開かれたインド太平洋」とぶち上げたスローガンは、日本の専守防衛さえもかなぐり捨てて、インド洋にまで自衛隊の関与する地域を拡大してアメリカにすり寄るもの。
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